講師紹介

白川 仁(しらかわ じん)

へっぽこ博士(工学)

いくつかの大学で物理・工学系の大学1年生・2年生を対象とした数学や物理学の講義・実験を担当して、大学での学びに適応できない学生が多数いると感じています。そんな学生は大学での学びに嫌気が差し、早々に大学での学びを深めることを諦めてしまいます。
大学での学びに適応できない原因は何でしょうか?

大学での学びに適応できない原因は「本質を理解していない」、「本質を理解する術を身に着けていない」からだと私は考えています。大学受験までは問題が解けることに注力し、問題が解ける様になっている学生は多いです。しかし、お決まりのパターンに沿って問題が解けることを理解できていると勘違いしてはいけません。そのレベル(お決まりのパターンに沿って問題が解けるレベル)になっても、まだ、本質を理解する道半ばにいるのです。
では、本質を理解する術を身に着けるにはどうすれば良いのでしょうか?

本質を理解する術を身に着けるには本質を理解する経験を積み重ねる必要があります。言い換えれば、自分は本質を理解したぞ、と言う確信を積み重ねる必要があります。その為にはそもそも「本質とは何か」に気づかなければなりませんが、誰かに手ほどきを受けなければ本質を見抜くのは難しいものです。

例えば、
1×10=10, 2×10=20, 3×10=30, 4×10=40, 5×10=50, 6×10=60, 7×10=70, 8×10=80, 9×10=90
と言う計算はできると思います。どの計算結果も左の数1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9の後ろに0を付け足すと言うパターンになっていますが、例えば、
3×9=39
と3の後ろに9を付け足すだけではダメです。×10の場合だけ、単に後ろに0を付け足すと言うパターンになっていることに小学生の私は大いな疑問を感じました。
小学生が納得できる様に説明することはできるでしょうか?
この疑問に答えることができないのであれば、掛け算は「できるが、分かっていない」と言うことになります。

他には、
「速さ」=(距離)/<時間>
と覚えている方は多いと思いますが、分母分子を逆にして、
「速さ」=<時間>/(距離)
ではダメなのでしょうか?
もし、小学生に聞かれたら答えることができるでしょうか?
速さの計算と三角比sin, cos, tanは全く同じ本質的な考え方に基づいていることを理解しているでしょうか?

単に公式を丸暗記しているだけになってはいませんか?
それは面白いことなのでしょうか?

本質を理解する術を身に着けるのは簡単なことではありません。整理して、順序立てて理解を深めて行く必要があります。一人では難しい作業です。
本当は何を理解していないのか、対話を通して、時間をかけて明らかにし、本質を理解する術を身に着けるお手伝いをしたいと思っています。私自身、様々な苦労をして本質を理解する術を身に着けて来ました。そして、まだまだ理解できていないことばかりのへっぽこです。皆さんと共に理解を深めて行ければ幸いです。

「神ならざる我々は、立ちはだかる目の前の課題を一瞬にして解決することなどできはしない。もがき、あがき、懸命に挑み続けるしか術はない。しかし、その愚直な姿は意外にも美しい。」~ある技術者の手記より~

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